ローマ帝国の初代皇帝となるオクタウィアヌス (のちのアウグストゥス。紀元前 6 3 ~紀元 1 4 )は、 「ゆっくり急げ 」ということわざを好んだそうです。彼は、この言葉を自分の執務室の壁に掛けて、つねに眺めていたという伝説が残っています。
カエサルの筋書きを現実のものとしてローマ帝国に安定をもたらしたオクタビアヌスは、とても賢く、そしてとても慎重な人だったらしいが、そんな彼でさえ、「ゆっくり急げ」というこの言葉を壁に掲げていたらしい。
人はせっかちな生き物であり、強く望んだことに対して、ついつい焦って行動しまう。変化のめまぐるしい時代には行動が大事なことは言うまでもないが、やはり焦ってしまうと大抵、コトを仕損じる。
特に、少し手を伸ばせばというシーンでは、理性を失いやすく、リスクも見えなくなりがちだが、そういうところにしっかりとブレーキをかけることが大切である。
そして、人ってのは理性を保てなくなることがあることを想定した上で、壁に言葉を貼るというような、対処する仕組みを持つことも大事だと思った。