解剖学者の養老孟司さんが「教養とは他人の心が分かることである」と言っています。
出典「感動する脳 (PHP文庫)」
それなりの年齢の大人になってくると、教養が足りなすぎるなと感じることがとても多いのですが、そもそもなぜ教養が必要なのでしょうか。
それを養老孟司さんが、見事に言葉にしてくれていて、とてもクリアになると共に、力が抜けた感じがしました。
教養とは他人の心が分かること。
なるほど、、他人が心の中に持っている文脈や背景というのは少しずつ違うし、そこには世界観、民族、歴史、地理などいろいろなものがベースに織り込まれているのだと思います。
ちょっとした会話の中から、そういうところにも何かアンテナがたって、人の気持ちを分かることができたら、それってすごくうれしいことですよね。
そして、筆者の茂木健一郎さんによれば、相手の心のニュアンスを推論して、他人を思いやるために必要なのは、実は、抽象的、論理的な思考能力だということです。
つまり、知識だけではなく、いわゆる頭の良さみたいなものも、人を思いやれるかどうかにつながっている。
勉強することが、こういった思考能力の向上につながって、人を思いやれることの助けになるんですね。
そういう意味では、子供の頃から、何はともあれ、勉強してきた甲斐はあったし、それってとても大切なことだと思いました。