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ときには意味なんて考えず生きよう/「タモリ学」

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 「あなたの考えは 、すべての出来事 、存在をあるがままに 、前向きに肯定し 、受け入れることです 。それによって人間は重苦しい意味の世界から解放され 、軽やかになり 、また時間は前後関係を断ち放たれて 、その時その場が異様に明るく感じられます 。この考えをあなたは見事にひとことで言い表しています 。すなわち 『これでいいのだ 』と 」

出典「タモリ学 タモリにとって「タモリ」とは何か?

これは、赤塚不二夫の告別式でタモリが読みあげた言葉である。

「これでいい」というのは、先日紹介した為末さんの本ではベストではなくベターなものをその時々で選んでいくという意味で使われていたが、本質的には同じことを言ってるのかもしれない。

あるがままに受け容れろ、意味なんて考えるなと言うタモリの考えは、結局意味なんてなくて「人生はひまつぶし」だという為末さんの言葉に通じるものがあるからだ。

意味がわからなくても、ありのままで、やりたいことやればいいじゃない。そう考えていくことで、自由を手に入れることができるというのはわかる気がするが、普通はシガラミを考えるのでやはり不安である。そこを若いうちからふっきれていたタモリは、やはりすごい。タモリが育った環境や親の考え方などの影響も大きかったのかもしれない。

その徹底した姿勢まではなかなか真似できそうにはないが、意味にこだわりすぎず、今に集中し、あるがままに受け容れることで、気持ちを自由にするという心の使い方は、ときどき取り込みたいものだ。マインドフルネスに似ている。

ちなみに、弔辞の際にタモリが読みあげたと思われた紙は白紙だったらしい。