その予定調和が裏切られたときに 、人は面白いと思うのです 。つまり 、自分が見たことがないものだから 、ハッとするわけですね 。
出典「秋元康の仕事学」
人は何かを見たときに、なんとなく全体像を描こうとする。こういう感じのものだよねと、わかった気になろうとする。
何かを生み出す側としては、決してわかった気にならないように、いつもの風景さえも初心で眺めるようにすることだ。
そして、あえてみんながなんとなく抱いたイメージを裏切る。
予定調和を壊されて、初めてのことを目にしたときに人は面白いと思うのだ。
タモリやアントニオ猪木も予定調和が大嫌いだったようだが、このことを知っていたに違いない。
秋元康さんによれば、むしろ全体像をわかりにくくすることがエンターテイメントの基本なのだとか。一言では説明できなくて、たくさんの魅力や意外性があって、え、なんなんだろうこれ?という感じ。
とはいえ、気をてらってばかりでもいけないので、みんなは何を見たいのか。感じたいのかを忘れてはならないのでしょうが。