それならば、自分が世界を置き去りにすればいい。
だれもまだ知らない景色を、知らない言葉を、見つければよいのだ。
その一瞬だけは 、世界の寂しさに勝てる 。
この本のあとがきみたいなところに、この文が書かれています。
「人生は寂しい」
ズバッとそう書かれていて、ああ、なんか心の深いところにある、普段は考えないことにしている、孤独感とか、これでいいのかなという迷いみたいなものは、ある程度普遍的なことなのかもしれないと思いました。
そして、文章を書くことは、その寂しさに勝てる瞬間を生み出してくれるということです。
これは、筆者の田中さんの、深く深く世界を掘り起こし、調べ上げたというプロセスのなせる技なのだと思います。
文章を書くというなかで、ボクがこの境地に達するのはまだまだ難しいと感じてしまいます。しかし、たしかに仕事をしていて、このことを考えてる人間は今オレダケジャナイカという瞬間はあり、それがとんでもない楽しい瞬間であることは理解できます。
どんなに狭い範囲であっても、世界を置き去りにすることで、寂しさに勝てる。
というか、多分それは、すんごい楽しいことなんじゃないかと思います。