チェスの実力の差は 、緻密に手を読んでいくという思考の粘りにあるのではなく 、直感的にスジの良い手を思い浮かべられるかどうか、という点にこそ現れるというのがグルートの結論でした。
一流の人は、よい選択肢をパッと思い浮かべられるらしい。直感のなせる技だ。
もちろんそれは、それまでの経験と思考の賜物なのだろうが、考える力がすごい人がすごいというわけでは必ずしもなくて、よい手を思いつけるというところが強いというのだ。(さすがにAIには圧倒的な思考の量で負けてしまうのかもしれないが)
そして、そのアイデアが優れたものかどうかを判断するために、緻密な思考が大切にはなるだろうが、やはり決定するときには、その手が美しいかどうかが判断材料になる。そう羽生さんは語っている。
こんな感じかなという直感力と、これっていいよねという美意識。
エキスパートと呼ばれる人は、これを強みにしている。