そのうち脳はアデノシンを増やすことによって、カフェインへの耐性を高める。ふだんコーヒーをたくさん飲んでいる人が、カフェインが切れたときに激しい疲労感と頭痛に襲われるのはこのせいだ 。
コーヒーは実は身体にいいという話も聞くが、ボクらはカフェインのことをもう少し理解しておくべきかもしれない。
脳の神経が興奮することで生じるアデノシン。
これをアデノシン受容体でキャッチした身体は、活動にブレーキをかける。つまり、眠くなったりするわけだ。
カフェインは、このアデノシンの代わりにアデノシン受容体に結合することにより、ブレーキを効きにくくするらしい。興奮を生み出す物質というわけではなくブレーキをはずすことができるのだ。
しかし、カフェインを摂り過ぎていると、アデノシンが増えてしまう(受容体の方が増えるとの説もある)。急激に疲れやすくなるということになる。だから、朝はなるべく目覚めのホルモン(コルチゾール)を活かすとか、カフェインに頼るタイミングや量をコントロールした方が良さそうだ。
そして、疲れた後にカフェインを摂っても遅いらしい。アデノシンが受容体に結合してしまってからでは遅いのだ。コーヒーを飲んで仮眠をするのがいいらしい。休息によりアデノシンを外しながら、カフェインを結合させるのだ。
ちなみに、血中のカフェイン濃度の半減期は5時間らしい。より良い眠りを得るには、コーヒーを飲むのは夕方までにしておくのがよいかもしれない。夜、何かやりたいのに眠くなってしまうのが悩ましいのだが。
時間術大全というこの本を通じて、コーヒーとの向き合い方を変えるきっかけが得られたのは、少し意外だった。