コーチにとって大切なのは、『選手はなぜそういう決断をしたのか』を考えることです。
それを理解することが『アート』なのです。
これは、コーチとしてだけではなく、会社の上司や先輩として、それから親としても、大切な考え方だと思うのですが、プレイヤーがぼくらの想定外の動きをした時に、どういう反応ができるか。そこにアートがあるということです。
自分のイメージと違う場合、それは間違いだとか、ミスだとして、今後の修正を求める態度をとりたくなるときがあるかもしれません。
しかし、ミスを許さないという考え方が先行してしまうと、選手たちはクリエイティビティを失ってしまいます。
そして、否定されることに慣れてしまうと、自分の軸で考えようとするのをやめてしまう。
これでは、想定内、あるいは、予定調和の世界を脱することができないチームになってしまいます。変化が求められる環境になっても、変化にすばやく追従できない。それでは生き延びることができなくなります。
こんなチームになることを避けるには、できるだけ「大人が存在を消すこと」だとサッカーコーチの池上正さんは言っています。
伸ばしたいなら離れなさい(サッカーで考える子供に育てる11の魔法)の読書ノート - Voyage of Life
ただ、やはり存在するわけで、その中でどう貢献するかを考えたときに、エディさんがヘッドコーチとして大切にしているのは、選手たちの決断を敬い、そのプロセスを理解すること、理解しようとすることなんですね。
データによる分析を大切にするというエディさんの方針は、ややもすると、成功率を高めろというメッセージに聞こえ、クリエイティブなプレーを、リスクを冒してでもやっていけというメッセージと相反してしまう気もします。
ここの微妙なバランスを取るところにまた、アートたる所以があるのでしょう。